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5/02/2019

シンセサイザー アナログからデジタルへ

平成から令和にかけての長期お休みを利用して家の片付けや庭の草むしりをしています。
そしたら物置から私にとってとても懐かしい本が出てきました。
音楽之友社発行の「シンセサイザー操作事典」です。

すっかり忘れていた私とシンセサイザーとのお付き合いについて書きます。

中学、高校と洋楽にはまっていて、当時モーグ・シンセサイザーというアナログシンセサイザーの斬新で変化のある音に興味津々でした。
そういうこともあり、昭和50年代後半頃、電気工作の雑誌の広告でシンセサイザーキットを見つけ、購入しました。
キットと言っても、基盤とパーツ(ICチップ、抵抗、コンデンサーなど)のみで、シャーシ(ケース)やキーボードなどは別途自分で手配しなければなりません。
それでも何とかパーツ屋さんを回り、空いている時間でシャーシの穴あけをしたり、はんだ付けしたりして、1年くらいかかったと思いますが、何とか音を出すところまで漕ぎつきました。


そのシンセサイザーはデジタルではなくアナログです。
音は空気を振動させる波なので、電子回路でその波を作り出すのですが、波の形、間隔、高さなどを変えると、音の三要素である音色、音程、音量を変えることができ、その結果、様々な音を作ることができます。
本体は、横幅60~70㎝×奥行40㎝×高さ10~15㎝くらいで、側面、下面は木製板で上面はアルミ板(自分の手作業です)。
ケースの中に100V用の重いトランスも取り付けていたので、相当の大型・重量級だった割には、単音しか出すことができません。
つまり、和音のように同時に複数の音を出すことができないのです。
キーボードはミニオルガンの鍵盤を取り付けましたが、結局指一本で弾くことになります。(ピアノやオルガンを弾けない私にはちょうど良いのですが)
さらに、やはりアナログの特性なのか、使っているうちに音が少しずつ変わってきます。
これはパーツが通電されて温度が上昇し、それに伴って特性が変化してしまうのでしょうか。
厳密には、同じ音は二度と再現できないというのが特徴ですね。
なかなか思った通りの音を作るのが難しいのです。
オシロスコープなどがあれば、ある程度波の形を見ながら調整できたのでしょうが、とにかく、回路のたくさんのつまみを適当にいじりながら音の変化を楽しんでいました。
また、アナログなので、例えば何かの記録媒体にデータを保存することもできません。
ツマミの位置をメモに取って残しておくくらいですね。

そんな中、たまたま書店で見つけたのがこの「シンセサイザー操作事典」。
木管楽器、金管楽器、弦楽器、鍵盤楽器、撥弦楽器、打楽器の他、風、地震、ネコ、小鳥などの自然音、サイレン、ヘリコプターなどの人工音などの「波」を作るためのパラメータが纏められています。
「こんな本があったのか!」と思い、即購入しました。
本を見ながらいろいろと音を作って遊んだものでした。

しかし、その後2~3年したら、ヤマハからMUSIC COMPUTER CX5というFM音源を備えたパソコン(MSXパソコン)が発売されました。
CX5のスロットにFMサウンド シンセサイザーユニットやミュージックキーボードを接続するとなんとデジタルシンセサイザー、しかも、複数音同時発生可能のシンセサイザーとなってしまうのです。ちょうどMIDIの出始めの頃だったと思います。
ちょうど就職して給料も入ってきた頃だったので、思い切ってパソコン本体と付属機器を一式購入しました。
さすがにモニターまで買う予算がなく、テレビにつないでいました。
記録媒体もフロッピーディスクではなくカセットテープでしたね。
プリセットされた音源は、いつも同じ音色を再現してくれます。
アナログで苦労した音作りの手間もなく、高音質の音源が手に入り、また、楽譜の入力、保存もできるのです。(楽譜の入力は物すごく面倒でした。マウスもなく、音符一つ一つに音程、長さ、強さなどを数字で入力したような記憶があります。それでも画期的であることは間違いありません。)
しかし、当時のパソコンはやはり性能が悪く、例えば16分音符や32分音符が続くとテンポが遅れてしまったり、楽譜を読み込むときにはにデータをカセットテープから読み込む必要があるので1分、2分待ちは当たり前、という感じで、とても人前で聴かせることは無理でした。
独身寮の自室でシコシコ楽譜を入力し、それにあわせてギターの練習をしたりしてました(暗い😞)。

その後、新しいパソコンを購入しましたが、シンセサイザーの付属機器はつかえず、何年か後に泣く泣く廃棄しました。(MSXパソコンの時代はあっという間でしたね。)

平成に入るとMIDI楽器で安い電子ピアノが多くの楽器メーカから発売され、子どもの楽器の練習用に購入しましたが、もともと鍵盤の弾けない私は触ることもなく、私とシンセサイザーとのお付き合いはその時点で終わってしまいました。
(でもサンプリング機能もついていたので、子どもの声をサンプリングして低い声や高い声にして遊びました。)

この本が見つからなかったら、この思い出はすっかり忘れていました。
記憶がかすれてしまうのに驚きましたが、ページをめくりながら一気に細かいことまで思い出すことができ、とてもうれしい気持ちです。

2/09/2019

川口市立文化財センター分館郷土資料館さまに資料を寄贈しました

以前「川口市 市制施行記念絵はかき」というタイトルで昭和8年の川口市制施行にあわせて発行された絵葉書をこのブログで紹介しました。
そうしたところ、川口市立文化財センター分館郷土資料館さまからお問い合わせをいただき、以下の資料をお譲りいたしました。
最後の絵葉書は川口市とは関係がありませんが、お譲りしようとした資料の中に入ってしまったようです。
しかし、こういう資料を大切に扱って下さる方、しかも今回は公的な機関にお譲りできましたのでうれしいです。

資料をお譲りする手続きのために資料館に伺った際、学芸員の方に常設展、企画展を一通りご案内していただきました。お忙しい中、贅沢な対応をしていただきありがとうございました。
企画展は「変わる街 変わる暮らし」(2019/1/16~3/10)というテーマで、1950年代から90年代辺りまでのおもちゃ、電気製品などの実物が展示されていて、非常に懐かしく楽しませていただきました。
40代後半以上の方であれば、同世代の人と一緒に見に行けば、盛り上がること間違いなしです。

そして、今週、市長から「資料受領書」と教育長から「お礼状」が届きました。
寄贈した資料の代わりに大事に保管しておこうと思います。



12/17/2018

ニューヨークの写真

今回の写真はハガキサイズですが、絵葉書ではありません。
両面印刷で、何か冊子を切り離したような感じです。
印刷時期はわかりませんが、自動車や飛行機の形を見ると第二次世界大戦前ですね。

Ellis Island, New York Harbor.


New York Harbor from the Battery.
Showing Statue of Liberty and Ellis Island.

Panorama of Lower Manhattan and
Bay from top of Woolworth Building, New York City.

The Library, Columbia University, New York City.

Skyline of Lower New York as seen from Jersey City.

Columbus Circle, New York.


Brooklyn Bridge and East River, New York.


Elevated R. R. Curve at 110th Street, New York.

General Post Office, New York.

Cathedral of St. John the Divine, New York.

12/01/2018

昭和16年発行 三省堂編集所編「英語重要単語集(3)」


昭和16年発行の三省堂編集所編「英語重要単語集(3)」です。
初版は昭和7年10月で、この昭和16年発行版は第150版と書いてありますので、当時のベストセラーだったのでしょう。
難易度に合わせて5分冊となっていて、値段はそれぞれ20銭。
縦15㎝×横9㎝で41ページという手軽に持ち運べるサイズとなっています。
表紙

表紙をめくると、発音記号表。戦前でも左から書かれています。
英語表記に合わせたのでしょうか?
発音記号表と内表紙

さらにページをめくると序文です。
この本の特徴や使い方が書かれています。

  • 中等英語教科書や入学試験問題を調査して約5千の重要単語を厳選。
  • 見やすさ、暗記しやすさのため訳語は見開きの隣のページの同じ位置に配置。
  • 常に本書を懐中に収め僅かな時間をも有効に使えるようにした。
  • 既知の単語は鉛筆で消し未知の新語に注力すること。
  • 必要に応じ辞書を用いて一層よく意味や用法を調べること。

序・凡例・略語解

さて、本文です。
見開きの左のページに英単語が2列に並んでいて、右のページにはそれぞれ対応する位置に和訳が書かれています。(序文の説明の通り)
辞書というより暗記のための本なんですね。
各ページの両端に行数を示す数字が書かれていて、左右のページが対照できるようになっています。
本文

最終頁です。
奥付には昭和7年の初版からの経緯が記されていますが、10年ほどの間に150版ですので、多くの英語学習者がこの本を利用していたものと推察します。
右側の最終ページには「スライド使用法」というのが書かれています。
この本は普通の辞書とは異なり、特徴ある単語の配列となっておりますが、これを活用する「スライド」というものがこの本に付属していたのかもしれません。
残念ながらそれらしきものは見当たりませんでした。
奥付と「スライド使用法」

10/27/2018

教育同志会編集 中等国語読本字引 第二学年用

明治37年(1904年)5月31日発行の教育同志会編集「中等国語読本字引」第二学年用です。

当時の中学校は12歳から5年間だったと思いますので、13歳用ということでしょう。
当時の漢字は今よりもずっと画数が多いので、ざっと見た感じでは13歳よりももっと上の年齢の生徒向けの図書の印象を受けました。


表紙をめくると「凡例」が出てきます。

一、本書は現時全国中学校に於て、其最も多く教科書として採用せられつつある中等国語読本を選み、其れに採録せる文章辞句に対し、専ら通俗的に解釈を試みたるなり。
一、中等国語教科書は十巻より成り、其の巻一巻二は一学年用に、巻三巻四は二学年用に、巻五巻六は三学年用に、巻七巻八は四学年用に、巻九巻十は五学年用に採定せらるるもの。本書は之に倣ひ、一学年に一冊、即ち全五冊にて完成するものなり。 
一、本書は中学教員及び在学生徒の研究の備考に充つるの目的なるのみならず、補習科諸生の座右欠くべからずを信ず。若し夫れ、山間僻陬の地に在り入校及び師を聘するに便ならざるの学子は本書に依って独習の精を研くべく。共に修業の彼岸に到るの利益を得ば編者の幸甚とするところなり。
教育同志会 
とありますので、教科書そのものではなく参考書のようです。







本文は、こんな感じです。
凡例にあったように、教科書である中等国語読本の文章から語句を抽出して、その読みや意味を解説しています。

しかし、前にも書きましたが13歳向けの図書としては難しいですね。いくつか紹介すると、

農業 ノウギャウ ○五穀ヲ作ルワザ
霄壤の差異 セウジヤウノサヰ ○天ト地ノチガヒ
屈曲偃蹇 クツキョクエンケン ○マガリカガム
碩學鴻儒の輩 セキガクカウジユノハイ ○學問ガ廣く高キ人々

というような感じです。


そして奥付です。
編集された教育同志会については、ネット検索してもヒットしませんでしたが、編集兼発行代表者の大月隆氏については、いくつかヒットしました。
著作がいくつかありますが、大月隆氏の人物像について記された情報はほとんどありませんでしたが、大月隆に関する研究論文が見つかりました。

もう一つの『文章世界』 -大月隆と文学同志会のことども-, 宗像 和重, 早稲田大学大学院文学研究科紀要 63, 1138-1119, 2018-03-15, 早稲田大学大学院文学研究科



それによれば、
大月隆は、明治二十年代後半から積極的な著作活動をおこなうとともに、文学同志会を起こして出版活動にも取り組んだ人物だが、その履歴や人物像については、ほとんど知られていない。
とあります。
本人そのものの記録がほとんど残っていない中、非常にご苦労されて調査された興味深い論文です。しかも、今年発表されたばかりなんですね。

古書をいろいろと調べていると、このような出会いがあり、楽しませていただいています。












10/08/2018

土木関係の図書(続きのその3です)

父の土木関係の書籍の紹介の3回目です。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分します。
もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)

年末には処分いたしますので、ご了承ください。

これでしばらくこのシリーズは中断。
また、物置の片付けで土木関係の本が出てきたら、紹介します。

●ロングレール作業
【著者】伊地知健一
【発行】1963/06/15 (初版1963/06/15)
【出版社】鉄道現業社 【定価】¥450
著者は「日本国有鉄道施設局保線課長」で、まえがきに次のように書いています。
本書はその目的を現場作業員の教養に主眼をおいた。題して「ロングレール作業」としたゆえんである。
理論の本ではなく、保守基準、実際の作業、事故事例など保線作業に携わる方のためのテキストのような本なのでしょう。
ところで、私がおそらく小学生の頃だったと思います。父と東京に出かけた帰りの京浜東北線の電車の中での思い出です。蕨と南浦和の間だったと思います。
一番後ろの車両から車掌室の向こう側の線路を父と二人でずっと眺めていた時、父が
今走っている線路は普通の線路より長い。つなぎ目が少ないからガタンゴトン音がしなくて静かだろう?
と言いました。どこに行った帰りなのか、小学校何年生の時だったのか覚えていません。もちろんロングレールなどという言葉も出てきませんでした。
しかし、なぜかこの父の言葉は鮮明に記憶に残っています。
当時、ロングレールが蕨-南浦和に導入されていたのかどうかはわかりません。 


●鋼橋の理論と計算 
(原題:Theorie und Berechnung der Stahlbruecken)
【著者】A.ハウラネック(A. Hawranek), Otto Steinhardt
【翻訳】橘善雄、小松定夫
【発行】1965/01/20 (初版1965/01/20)
【出版社】山海堂 【定価】¥2,800
この本は、前の本(ロングレール作業)と比べると明らかに設計者向けの内容となっています。最初から最後まで数式ばかり。翻訳者による序文には、こうあります。
第2次大戦後、橋梁工学の発達はめざましく、特にドイツにおいては、構造形式の創案と改善、高級材料の発明と利用によって鋼橋の飛躍的進歩が成し遂げられた。
鋼構造物技術はイメージ通りドイツが世界の先頭を走っていたのでしょう。


●擁壁の設計(第2版)土木構造物設計シリーズ
【著者】栗原利栄、藤森哲、手塚民之祐、小池晋
【発行】1972/04/10 (初版1962/01/30)
【出版社】オーム社 【定価】¥1,100
本書は大きく二編に分かれていて、道路編は日本道路公団と大和設計の専門家、鉄道編は鉄道建設公団と国鉄構造物設計事務所の方が執筆されています。
ちょうどこの頃、構造物の設計施工指針やコンクリート標準示方書などがまだ審議、発行、改訂などがなされていた時期だったので、実際の設計事例が紹介されている本書は、設計者にとってとても参考になったことと思います。

9/30/2018

農業土木関係の図書(続きのその2です)

台風24号が間もなく関東に近づいてきます。
次第に雨と風の音が大きくなってきました。
一応、昼の間雨が降ってくる前に、家の周りを見回り、風で倒れそうなものは養生しておきました。

さて、今日も父の土木関係の書籍の紹介です。
9月17日9月25日のブログの続きです。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。
もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)
年末には処分いたしますので、ご了承ください。

今回はこの4冊。
農業土木というよりも、ダムや鉄道・橋梁などいわゆる土木工学の図書が中心です。
父は学校を卒業した後は、鉄道、橋梁関係の仕事に就きました。
今回紹介する図書の発行日からみても、仕事に関連する図書を購入したのだと思います。

●土木工学難問疑問解答集 第1集
【著者】東京工学研究会
【発行】1954/06/10 (初版1954/06/10)
【出版社】鉄道図書局 【定価】¥180
本書をインターネットの「国立国会図書館デジタルコレクション」で検索したら、
この資料は、著作権の保護期間中であるか、著作権の確認が済んでいない資料のためインターネット公開をしていません。閲覧を希望される場合は、国立国会図書館または図書館送信参加館へご来館ください。
となっていて、インターネットでの公開はなされていないようでした。


●佐久間ダム―その歴史的記録
【著者】長谷部成美
【発行】1956/07/15 (初版1956/07/15)
【出版社】東洋書館 【定価】¥270
この本はざっと目を通しました。著者は日経新聞記者で入社以来電力を担当され、入社後5年目でこの本を出版されました。単なる建設記録ではなく、戦後の電力改革、プロジェクト立ち上げの経緯、政界の動き、水車・発電機の国際入札の裏側まで、新聞記者として自ら収集した情報をもとに書き上げたもので、NHKのプロジェクトXにつながるところがあります。


●「ウエルポイント工法」
【著者】瀬古新助
【発行】1956/12/25(初版:1956/12/25)
【出版社】理工図書 【定価】¥180
著者は、戦後日大教授から戦災の復興や人材育成を目的にコンサルタント会社を興した方で、この本のタイトルである「ウエルポイント工法」を導入されました。ウエルポイント工法は掘削工事の際に地下水位を低下させる工法です。この本の序文には次のように書かれています。
ウエルポイントによる強力な地下水低下法は、強力な土工機械の性能を最高度に発揮させるための必須の条件として、或は地盤の安定強化と工事の保安のために燎原の火の如く急速に普及しつつある。
著者が日本で初めて施工したのが1953年で、そのわずか3年後にこの本が出版されました。その時点で著者本人が「燎原の火」のようだと感じていたのですから、その工法の有効性は充分検証されたものだったと思われます。


●黒部渓谷
【著者】冠松次郎
【発行】1957/03/20 (初版1957/03/20)
【出版社】朋文堂 【定価】¥280
最初にこの本を手にした時、上に書いた「佐久間ダム―その歴史的記録」と同様に黒部ダムをテーマにした本だと思ったのですが、そうではありません。黒部を愛した登山家がダムができる前の黒部渓谷の素晴らしさを記したものです。黒部ダムの着工が1956年で、ちょうどその翌年に出版されました。きっとダム建設で黒部の自然が失われることにいたたまれなかったのだと思います。「はしがき」の一部を紹介します。
黒部渓谷も水力電気の施設が進むに連れて、下流から逐次、著しくその景観を害われてしまいました。さらに本年からは、黒部の核心地帯である下廊下の絶勝がいよいよ水力電気の工事現場となります。(中略)したがって五年後工事完成の暁には下廊下の水は激減し、反対に上流に大瀦水池を現出することになり、原始的の雄黒部は人工的瀦水池と荒れ壕の連続化することになると思います。(中略)この小著もやがて変貌する黒部の中心地帯のありし昔の美貌をしのぶ一つのしるべとなり、同時にまた日本にかえがたい大自然の成せる国宝を失う哀歌ともなりましょう。
夏の間だけ、関西電力社員以外は限られた人数しか訪れることのできない黒部川第四発電所の見学会に私は以前参加したことがあります。発電所に至るまでの景色に、日本にこんなに人の手の入っていないところがあったのか、といたく感動したものです。しかし、今の我々の世代には想像もできないようなさらに素晴らしい壮大な自然があったのでしょう。

9/25/2018

農業土木関係の図書(続きです)


父が昔使っていた土木関係の書籍を紹介します。
9月17日のブログの続きです。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。

もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)

年末には処分いたしますので、ご了承ください。
今回はこの3冊。

●コンクリートハンドブック
【著者】吉田徳次郎
【発行】1951/10/30 (初版1949/06/10)
【出版社】養賢堂 【定価】¥450(地方売価\470)
著者の吉田徳次郎先生は、コトバンクによれば、「大正-昭和時代の土木工学者」で「コンクリートや鉄筋コンクリート工学の研究で知られ、静岡県の佐久間ダムなどの工事を指導」されたとあります。

●実用農業工学便覧
【著者】東京大学農学部農業工学教室
【発行】1951/11/30 (初版 1951/11/30)
【出版社】朝倉書店 【定価】¥850
背表紙には「実用農業工学便覧」とありますが、表紙には「Agricultural Engineering Manual」と記載されています。(金文字でうまく写っていませんが)

●農業土木学詳論
【著者】牧隆泰
【発行】1954/01/21(初版 1954/01/21)
【出版社】地球出版 【定価】¥800
著者の牧隆泰先生は、東大農学部農業土木科卒業後、農商務技師、東大農学部講師、台北帝大教授、農林省開拓研究所員を経て東京農業大学教授を務められた方です。
熊本県玉名市のHPに干拓遺産を紹介した文書の中に、大正3年の台風による潮害による被害の復旧において堤防の設計に関わったのが牧先生とありますが、これは農商務技師の時代のころと思われます。
この本の内表紙には著者の押印「進呈 著者(印) 〇〇〇〇様(〇は父の名前)」があります。父は東京農業大学に通っていましたが、既に本が発行された1954年は卒業し働いていましたので、教科書として利用していたのではなく先生から直接いただいたものだと思われます。

9/17/2018

農業土木関係の図書

今日は父が昔使っていた土木関係の書籍を紹介します。
以前も父が遺した農業土木関係を始めとする技術図書を何度か紹介してきました。

2011/5/29 古本の紹介をはじめたきっかけ
2011/6/25 「国防農業論」と「大東亜の建設」
2011/9/23 「国防農業論」をお引き受けいただけることになりました
2011/11/27 農業・土木関係の図書

主に昭和20年代後半から30年代に発行されたもので、父が学生時代に教科書・参考書として使ったもの、或いは仕事に就いてから業務のために購入したものと思われます。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。
そこで、このブログで紹介したり、著者の大学の研究室に連絡を取ったりしたりして、お引き受けしてくださるがいらっしゃったらお譲りしています。

もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)
年末には処分いたしますので、ご了承ください。

まずは、この3冊です。

●砂防工事及林道
【著者】荻原貞夫・福田次郎
【発行】1947/07/15(初版1937/05/20)
【出版社】明文堂 【定価】¥80
ネットで調べると著者の荻原貞夫さんは日本森林学会の第10~11代会長です。
この本の巻末には鉛筆で「22.9.24(東山堂)」と書き込みがありました。
おそらく父が購入した日と書店の名前ではないかと思います。
当時父は盛岡の学校に通っていたので、「盛岡、東山堂」で検索すると…、
ありました、ありました、明治38年創業の老舗ですね。
父は学生時代ここで本を購入していたんですね。

●農業土木ハンドブック
【著者】農業土木学会
【発行】1948/09/05(初版1931/12/20)
【出版社】丸善 【定価】¥800
農業土木学会は昭和4年に創立され、平成19年に農業農村工学会に名称が変更され現在に至っているようです(農業農村工学会HP)。
そのHPで学会の沿革を見ると、明治33年(1900)に、近代農業土木の始祖上野英三郎先生が東京帝国大学農科大学にて農業土木学を開講したところから始まります。
上野先生は、あの忠犬ハチ公の飼い主の方ですね。
農業土木ハンドブックは、昭和6年(1931)に初版発行で、昭和32年(1957) に改訂版が発行されて以来、だいたい10年毎に改訂されているようで、今は学会名に合わせてタイトルも変わり「農業農村工学ハンドブック改訂7版」として刊行されているようです。
父が使っていたのは改訂前のものですね。

●道路工学 設計編
【著者】岩澤忠恭
【発行】1948/10/01(初版1948/03/10)
【出版社】富士出版 【定価】¥80
著者の経歴をWikipediaで調べたら、すごいお方であるということがわかりました。
大学教授として教鞭をとり、また、役人として道路整備、河川改修・維持事業に携わり現場の指揮まで執られ、建設事務次官、地理調査所(現在の国土地理院)初代所長に就き、その後、参議院議員3期で予算委員長、建設委員長までなさった方です。
この本の第1章「緒言」の書き出しを紹介します。
我国の道路は道路法に依りて国道、府県道、市道並に町村道の4種に区別され、その費用は大体に於て其の名称の公共団体に依りて負担せられて居る。即ち府県道は府県費、市町村道は夫々市町村費支弁とする。
工学の本というよりも、行政官向けの教科書という感じです。
初版が1948年(昭和23年)ですが、その年に著者が建設事務次官に就かれたのですから、当然かもしれません。

9/04/2018

浦沢直樹 こんどは「BILLY BAT」

浦沢直樹先生の作品は本当に好きですね。
この作品も私の興味のあるところをご存知かのようにポイントをついてくれます。
これはまとめ買いではなくて、1冊ずつ次の発売日を待って購入しました。
第1巻が2009年、最終の第20巻が2016年なので足掛け8年です。
いい年して次のが出るのが待ち遠しくて仕方がなかったのを思い出します。

結構、発行のインターバルがバラバラで、もうそろそろ出てるかな、と思って書店に行って空振り、ということがありましたね。

この漫画で取り上げられている下山事件などは私が生まれる前の出来事ですが、ケネディ暗殺事件、アポロ月面到着などは私はリアルタイムで体験しています。
こういう事件はとっても興味があって、以前、下山事件を扱った本をこのブログで紹介ししましたが、そこではBILLY BATのことを書いていました。

BILLY BATは、時を越えて世界のどこかで起きた大事件が、実はすべて大昔から筋書きがあり、誰かがそうなるように操っている、というようなストーリーだと自分では思っているのですが、ノストラダムスの大予言などとちょっとつながっている気もします。








いつものようにまとめてボランティア団体にお譲りしました。

8/26/2018

浦沢直樹 20世紀少年

浦沢直樹さんの作品は大好きです。
時代があっているんでしょうか?
20世紀少年は、ネット通販でまとめて購入しました。
一気に読んで、また、読んで。
そして映画を見て。
映画のキャストは全員が本当に漫画とそっくりでした。
漫画を描き始める前から映画化を意識していて、実在の役者さんとイメージを重ねて漫画の中のキャラクターを作り上げていったんじゃないかと思ったくらいです。
T-Rexも最高!
ところで、写真を並べて今気づいたけど、18巻からタイトルが英語から日本語に変わってますね。
何かあったんですかね?
浦沢先生の作品は、いつもいろいろと謎解きも楽しめますね。

1 ともだち
2 予言者
3 ギターを持った英雄
4 愛と平和
5 さいかい
6 最後の希望
7 真実
8 ケンヂの歌
9 ラビット・ナボコフ
10 顔のない少年
11 成分表示
12 ともだちの顔
13 終わりの始まり
14 少年と夢
15 ばんぱくばんざい
16 鏡のむこう
17 クロスカウンター
18 みんなの歌
19 帰ってきた男
20 人類の勝負
21 宇宙人現る
22 正義の始まり
「21世紀少年」 上 “ともだち”の死
「21世紀少年」 下 20世紀少年




「20世紀少年」は全部で22巻で、おまけで「21世紀少年」が上下2巻、全部で24冊です。

大好きな作品ですが、家の中のスペースの問題もあり、いつものような障害者の方の団体にお譲りしました。