以前も父が遺した農業土木関係を始めとする技術図書を何度か紹介してきました。
2011/5/29 古本の紹介をはじめたきっかけ
2011/6/25 「国防農業論」と「大東亜の建設」
2011/9/23 「国防農業論」をお引き受けいただけることになりました
2011/11/27 農業・土木関係の図書
主に昭和20年代後半から30年代に発行されたもので、父が学生時代に教科書・参考書として使ったもの、或いは仕事に就いてから業務のために購入したものと思われます。
これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。
そこで、このブログで紹介したり、著者の大学の研究室に連絡を取ったりしたりして、お引き受けしてくださるがいらっしゃったらお譲りしています。
もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)
年末には処分いたしますので、ご了承ください。
まずは、この3冊です。
●砂防工事及林道
【著者】荻原貞夫・福田次郎
【発行】1947/07/15(初版1937/05/20)
【出版社】明文堂 【定価】¥80
ネットで調べると著者の荻原貞夫さんは日本森林学会の第10~11代会長です。
この本の巻末には鉛筆で「22.9.24(東山堂)」と書き込みがありました。
おそらく父が購入した日と書店の名前ではないかと思います。
当時父は盛岡の学校に通っていたので、「盛岡、東山堂」で検索すると…、
ありました、ありました、明治38年創業の老舗ですね。
父は学生時代ここで本を購入していたんですね。
●農業土木ハンドブック
【著者】農業土木学会
【発行】1948/09/05(初版1931/12/20)
【出版社】丸善 【定価】¥800
農業土木学会は昭和4年に創立され、平成19年に農業農村工学会に名称が変更され現在に至っているようです(農業農村工学会HP)。
そのHPで学会の沿革を見ると、明治33年(1900)に、近代農業土木の始祖上野英三郎先生が東京帝国大学農科大学にて農業土木学を開講したところから始まります。
上野先生は、あの忠犬ハチ公の飼い主の方ですね。
農業土木ハンドブックは、昭和6年(1931)に初版発行で、昭和32年(1957) に改訂版が発行されて以来、だいたい10年毎に改訂されているようで、今は学会名に合わせてタイトルも変わり「農業農村工学ハンドブック改訂7版」として刊行されているようです。
父が使っていたのは改訂前のものですね。
●道路工学 設計編
【著者】岩澤忠恭
【発行】1948/10/01(初版1948/03/10)
【出版社】富士出版 【定価】¥80
著者の経歴をWikipediaで調べたら、すごいお方であるということがわかりました。
大学教授として教鞭をとり、また、役人として道路整備、河川改修・維持事業に携わり現場の指揮まで執られ、建設事務次官、地理調査所(現在の国土地理院)初代所長に就き、その後、参議院議員3期で予算委員長、建設委員長までなさった方です。
この本の第1章「緒言」の書き出しを紹介します。
我国の道路は道路法に依りて国道、府県道、市道並に町村道の4種に区別され、その費用は大体に於て其の名称の公共団体に依りて負担せられて居る。即ち府県道は府県費、市町村道は夫々市町村費支弁とする。工学の本というよりも、行政官向けの教科書という感じです。
初版が1948年(昭和23年)ですが、その年に著者が建設事務次官に就かれたのですから、当然かもしれません。
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