2/13/2018

岩渕町郷土誌

東京都北区の北端に位置する岩淵町の郷土誌です。
昭和5年5月25日発行の非売品で、櫻井泰仁・平野實編纂、岩淵町郷土史料研究会蔵版となっています。

私の祖父は当時川口町役場(昭和8年に市制施行)に勤めていたので、荒川を挟んで隣町の岩淵町とは多少仕事上のお付き合いがあったのかもしれません。

以前、昭和7年版「川口町勢要覧」昭和8年発行「川口市勢要覧」を紹介しましたが、この本はその岩淵町版というものです。
しかし、その資料の充実ぶりは相当なものです。
全424ページで写真、図表も鮮明でわかりやすく、また、参考資料も約20ページにわたり記載されています。
また、地域の地名の由来などは「古老の伝える俗説もそのまま掲げてある」というように聞き取り調査なども行われていたようです。


では、その充実した内容をご紹介します。内表紙~緒言~目次です。

鉄道に電気を供給する赤羽発電所があったことを初めて知りました。

鉄道も今とはずいぶん違ってましたね。

  • 東北本線も今よりずいぶん東側に線路が敷設されたが、洪水が酷かったので今の崖下(武蔵野台地の先端)に移した。

  • 東北本線蓮田駅から現在のさいたまスーパーアリーナ付近の武州大門駅までを結ぶ武州鉄道が荒川を渡り赤羽、王子方面につながる計画があった。

  • 王子駅から岩淵までをつなぐ王子軌道電車があった。

  • その他にも特殊専用線として、赤羽発電所、東京兵器支廠、被服支廠への貨物線があった。
など、興味深い話が結構書かれています。
工業の部では、東京23区で唯一100年以上清酒を製造し続ける酒蔵の小山酒造が「小山酒醸造工場」として記載されています。このほかにも、この地域には、古墳、貝塚もあります。

時間がある時にでも、この本を持って岩淵の街を探索してみたいものです。




0 件のコメント:

コメントを投稿