●高階秀爾 ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」はなぜ傑作か?(小学館)
この本は、カラー写真が豊富で、聖書の中のいろいろなテーマごとに、様々な画家の作品を比較しながら解説してくれます。
同じテーマであってもその時代の背景、画家の考え方などによりそのとらえ方も異なり、また、描き方も異なるんですね。
また、私たちが本などで目にする作品も、それに至るまでにいくつもの習作を経て出来上がっていることも、紹介されています。名画になるべく出来上がったということもよくわかります。
名画にはなかなか直接目にする機会もなく、まれにそういう機会に恵まれても、その絵の意味するところ、画家がどんな考えで描いたのかなどを知って見るのとそうでないのとでは大きな違いです。
そういう事前知識なく、見たままに感じるのがよい、といった考えもあるかもしれませんが、私は、絶対に事前準備をして、絵の隅々まで目を凝らして鑑賞したいですね。
著者の高階先生はこの本だけではなく、誰も知らない「名画の見方」という本も書かれています。1932年生まれですのでずいぶんご高齢ですが、もし講演会などの機会があればぜひお話をお聞きしたいです。
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