10/14/2018

内閣情報局編集「週報」

戦時中に内閣情報部、後に情報局が発行した定期刊行雑誌「週報」が3部見つかりました。
結構ボロボロです。
中身は興味深い記事もありますが、旧字体、旧仮名遣いでの記載で、また、紙質がわら半紙のように茶色い上に活字の線が細く、老眼の私がそうたやすく読み通せるものではありません。
1冊当たりのページ数は50ページほどですが、結構厳しいですね。
ということで、記事の見出しが書かれている表紙の写真を中心に紹介します。

●第90号(昭和13年7月6日発行)


●第270号(昭和16年12月10日発行)
第270号は、昭和16年12月8日の「米英両国ニ対スル宣戦ノ詔書」の直後に発行されたもので、表紙には大した記事の見出しは書かれていませんが、この号には付録がついていて、そこには「詔書」に始まり、「帝国政府声明」、「東条内閣総理大臣のお言葉」、「日米交渉の経過」、「帝国政府の対米通牒」と続き、最後に国民に向けた「防空下令」が記されています。


●第270号付録
この付録は第270号に添付されていたのではなく事後に発行されたようで、第271号の編集後記に、「前号週報(12月10日号)に付録添付」、「本誌のみを入手された方は、適当な方法で本誌を購入された書店へご請求下さい。」とありました。


第270号付録巻頭の「詔書」

●第271号(昭和16年12月17日発行)
そして、第271号では、真珠湾攻撃の戦果についての報告がなされています。


いずれも非常に貴重な資料だと思います。


10/08/2018

ドイツ製内面研削盤の取扱説明書(1937年)

「MAR 22 1937」とスタンプが押されたドイツ語の小冊子が出てきました。
1937年ということは昭和12年。A5版横向きで十数ページのものです。


表紙には "BEDIENUNGS-ANWEISUNG" と書かれており、訳すと「取扱説明書」です。
そして、会社名は "K. JUNG, BERLIN", "MASCHINEN FABRIK" とあります。
JUNGはドイツの研削機械のメーカです。
そのHPをみると沿革が記されていて、1937年頃までの様子を調べると、
  • ベルリンにKarl Jung社設立。 ビジネス目的:高精度研削盤の開発(1919年)
  • 最初の油圧表面研削盤(1925)を発表
  • 独自の高精度スピンドルの生産を開始(1931年)
となっていて、ちょうど1931年に生産を開始した高精度スピンドルを採用した工作機械が1937年当時の販売の主力製品だったのでしょう。

さて、中身ですが、表紙を開くとこんな感じです。


タイトルを翻訳すると「内面研削盤モデルASの操作説明書」という感じでしょうか。
操作方法が詳しく書かれ、それを説明するための写真や外形図などが後ろに続きます。

しかし、ドイツ語の技術的な中身よりも私の気を引いたのは「株式会社山本商会」のスタンプです。そして右下には「MAR 22 1937」の日付印。
株式會社山本商會
東京市京橋區銀座二丁目壱番地
電話 京橋 (56) 一六二二・一六二三番
山本商会は今でもあるのでしょうか?
ネットを検索すると「山本商会」という会社はいくつかヒットするもののちょっと違うようです。
いろいろ巡って辿り着いたのが、現在のYKT株式会社でした。
YKT株式会社のHPを見ると、
  • 事業内容は「電子機器・工作機械・測定機器・溶接機械・産業機械の輸出入販売」
  • 大正13年3月(1924年)山本敬蔵氏、個人商店として築地に事業創業、昭和9年2月(1934年)株式会社に改組
  • 昭和16年9月(1941年)山本工業株式会社に商号変更
  • 昭和24年2月(1949年)山本工業株式会社より工作機械類の輸入販売業務部門を分離し株式会社山本商会を再設立
とありますので、かなりいい線を行ってますが、残念ながらHPを見ても創業者の山本敬蔵氏が興した会社が「山本商会」であるという記載は見つかりませんでした。
(1949年に山本商会を再設立とは書いてあるんですが)

そこで山本敬蔵氏をネットで調べると、ありました。
広島県立福山誠之館高等学校の同窓会に山本敬蔵氏の名前があり、
 「実業家、山本商会社長」
 「大正13年(1924年)38歳 山本商会創立」
とあり、山本商会とつながりました。
とても歴史のある会社ですね。

いつもそうですが、ネットを使っていろいろと紐解いていくと、自分の生まれる前の出来事で今の自分とは何の関連のないことでも随分わかるものだなあ、と感心します。

ちなみに、なぜ昭和初期の時代の工作機械の取説がうちの物置にあるのかは、わかりません。さすがにネットで調べてもわからないでしょうね。

土木関係の図書(続きのその3です)

父の土木関係の書籍の紹介の3回目です。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分します。
もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)

年末には処分いたしますので、ご了承ください。

これでしばらくこのシリーズは中断。
また、物置の片付けで土木関係の本が出てきたら、紹介します。

●ロングレール作業
【著者】伊地知健一
【発行】1963/06/15 (初版1963/06/15)
【出版社】鉄道現業社 【定価】¥450
著者は「日本国有鉄道施設局保線課長」で、まえがきに次のように書いています。
本書はその目的を現場作業員の教養に主眼をおいた。題して「ロングレール作業」としたゆえんである。
理論の本ではなく、保守基準、実際の作業、事故事例など保線作業に携わる方のためのテキストのような本なのでしょう。
ところで、私がおそらく小学生の頃だったと思います。父と東京に出かけた帰りの京浜東北線の電車の中での思い出です。蕨と南浦和の間だったと思います。
一番後ろの車両から車掌室の向こう側の線路を父と二人でずっと眺めていた時、父が
今走っている線路は普通の線路より長い。つなぎ目が少ないからガタンゴトン音がしなくて静かだろう?
と言いました。どこに行った帰りなのか、小学校何年生の時だったのか覚えていません。もちろんロングレールなどという言葉も出てきませんでした。
しかし、なぜかこの父の言葉は鮮明に記憶に残っています。
当時、ロングレールが蕨-南浦和に導入されていたのかどうかはわかりません。 


●鋼橋の理論と計算 
(原題:Theorie und Berechnung der Stahlbruecken)
【著者】A.ハウラネック(A. Hawranek), Otto Steinhardt
【翻訳】橘善雄、小松定夫
【発行】1965/01/20 (初版1965/01/20)
【出版社】山海堂 【定価】¥2,800
この本は、前の本(ロングレール作業)と比べると明らかに設計者向けの内容となっています。最初から最後まで数式ばかり。翻訳者による序文には、こうあります。
第2次大戦後、橋梁工学の発達はめざましく、特にドイツにおいては、構造形式の創案と改善、高級材料の発明と利用によって鋼橋の飛躍的進歩が成し遂げられた。
鋼構造物技術はイメージ通りドイツが世界の先頭を走っていたのでしょう。


●擁壁の設計(第2版)土木構造物設計シリーズ
【著者】栗原利栄、藤森哲、手塚民之祐、小池晋
【発行】1972/04/10 (初版1962/01/30)
【出版社】オーム社 【定価】¥1,100
本書は大きく二編に分かれていて、道路編は日本道路公団と大和設計の専門家、鉄道編は鉄道建設公団と国鉄構造物設計事務所の方が執筆されています。
ちょうどこの頃、構造物の設計施工指針やコンクリート標準示方書などがまだ審議、発行、改訂などがなされていた時期だったので、実際の設計事例が紹介されている本書は、設計者にとってとても参考になったことと思います。

9/30/2018

農業土木関係の図書(続きのその2です)

台風24号が間もなく関東に近づいてきます。
次第に雨と風の音が大きくなってきました。
一応、昼の間雨が降ってくる前に、家の周りを見回り、風で倒れそうなものは養生しておきました。

さて、今日も父の土木関係の書籍の紹介です。
9月17日、9月25日のブログの続きです。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。
もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)
年末には処分いたしますので、ご了承ください。

今回はこの4冊。
農業土木というよりも、ダムや鉄道・橋梁などいわゆる土木工学の図書が中心です。
父は学校を卒業した後は、鉄道、橋梁関係の仕事に就きました。
今回紹介する図書の発行日からみても、仕事に関連する図書を購入したのだと思います。

●土木工学難問疑問解答集 第1集
【著者】東京工学研究会
【発行】1954/06/10 (初版1954/06/10)
【出版社】鉄道図書局 【定価】¥180
本書をインターネットの「国立国会図書館デジタルコレクション」で検索したら、
この資料は、著作権の保護期間中であるか、著作権の確認が済んでいない資料のためインターネット公開をしていません。閲覧を希望される場合は、国立国会図書館または図書館送信参加館へご来館ください。
となっていて、インターネットでの公開はなされていないようでした。


●佐久間ダム―その歴史的記録
【著者】長谷部成美
【発行】1956/07/15 (初版1956/07/15)
【出版社】東洋書館 【定価】¥270
この本はざっと目を通しました。著者は日経新聞記者で入社以来電力を担当され、入社後5年目でこの本を出版されました。単なる建設記録ではなく、戦後の電力改革、プロジェクト立ち上げの経緯、政界の動き、水車・発電機の国際入札の裏側まで、新聞記者として自ら収集した情報をもとに書き上げたもので、NHKのプロジェクトXにつながるところがあります。


●「ウエルポイント工法」
【著者】瀬古新助
【発行】1956/12/25(初版:1956/12/25)
【出版社】理工図書 【定価】¥180
著者は、戦後日大教授から戦災の復興や人材育成を目的にコンサルタント会社を興した方で、この本のタイトルである「ウエルポイント工法」を導入されました。ウエルポイント工法は掘削工事の際に地下水位を低下させる工法です。この本の序文には次のように書かれています。
ウエルポイントによる強力な地下水低下法は、強力な土工機械の性能を最高度に発揮させるための必須の条件として、或は地盤の安定強化と工事の保安のために燎原の火の如く急速に普及しつつある。
著者が日本で初めて施工したのが1953年で、そのわずか3年後にこの本が出版されました。その時点で著者本人が「燎原の火」のようだと感じていたのですから、その工法の有効性は充分検証されたものだったと思われます。


●黒部渓谷
【著者】冠松次郎
【発行】1957/03/20 (初版1957/03/20)
【出版社】朋文堂 【定価】¥280
最初にこの本を手にした時、上に書いた「佐久間ダム―その歴史的記録」と同様に黒部ダムをテーマにした本だと思ったのですが、そうではありません。黒部を愛した登山家がダムができる前の黒部渓谷の素晴らしさを記したものです。黒部ダムの着工が1956年で、ちょうどその翌年に出版されました。きっとダム建設で黒部の自然が失われることにいたたまれなかったのだと思います。「はしがき」の一部を紹介します。
黒部渓谷も水力電気の施設が進むに連れて、下流から逐次、著しくその景観を害われてしまいました。さらに本年からは、黒部の核心地帯である下廊下の絶勝がいよいよ水力電気の工事現場となります。(中略)したがって五年後工事完成の暁には下廊下の水は激減し、反対に上流に大瀦水池を現出することになり、原始的の雄黒部は人工的瀦水池と荒れ壕の連続化することになると思います。(中略)この小著もやがて変貌する黒部の中心地帯のありし昔の美貌をしのぶ一つのしるべとなり、同時にまた日本にかえがたい大自然の成せる国宝を失う哀歌ともなりましょう。
夏の間だけ、関西電力社員以外は限られた人数しか訪れることのできない黒部川第四発電所の見学会に私は以前参加したことがあります。発電所に至るまでの景色に、日本にこんなに人の手の入っていないところがあったのか、といたく感動したものです。しかし、今の我々の世代には想像もできないようなさらに素晴らしい壮大な自然があったのでしょう。

9/25/2018

農業土木関係の図書(続きです)


父が昔使っていた土木関係の書籍を紹介します。
9月17日のブログの続きです。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。

もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)

年末には処分いたしますので、ご了承ください。
今回はこの3冊。

●コンクリートハンドブック
【著者】吉田徳次郎
【発行】1951/10/30 (初版1949/06/10)
【出版社】養賢堂 【定価】¥450(地方売価\470)
著者の吉田徳次郎先生は、コトバンクによれば、「大正-昭和時代の土木工学者」で「コンクリートや鉄筋コンクリート工学の研究で知られ、静岡県の佐久間ダムなどの工事を指導」されたとあります。

●実用農業工学便覧
【著者】東京大学農学部農業工学教室
【発行】1951/11/30 (初版 1951/11/30)
【出版社】朝倉書店 【定価】¥850
背表紙には「実用農業工学便覧」とありますが、表紙には「Agricultural Engineering Manual」と記載されています。(金文字でうまく写っていませんが)

●農業土木学詳論
【著者】牧隆泰
【発行】1954/01/21(初版 1954/01/21)
【出版社】地球出版 【定価】¥800
著者の牧隆泰先生は、東大農学部農業土木科卒業後、農商務技師、東大農学部講師、台北帝大教授、農林省開拓研究所員を経て東京農業大学教授を務められた方です。
熊本県玉名市のHPに干拓遺産を紹介した文書の中に、大正3年の台風による潮害による被害の復旧において堤防の設計に関わったのが牧先生とありますが、これは農商務技師の時代のころと思われます。
この本の内表紙には著者の押印「進呈 著者(印) 〇〇〇〇様(〇は父の名前)」があります。父は東京農業大学に通っていましたが、既に本が発行された1954年は卒業し働いていましたので、教科書として利用していたのではなく先生から直接いただいたものだと思われます。

9/17/2018

農業土木関係の図書

今日は父が昔使っていた土木関係の書籍を紹介します。
以前も父が遺した農業土木関係を始めとする技術図書を何度か紹介してきました。

2011/5/29 古本の紹介をはじめたきっかけ
2011/6/25 「国防農業論」と「大東亜の建設」
2011/9/23 「国防農業論」をお引き受けいただけることになりました
2011/11/27 農業・土木関係の図書

主に昭和20年代後半から30年代に発行されたもので、父が学生時代に教科書・参考書として使ったもの、或いは仕事に就いてから業務のために購入したものと思われます。

これらの専門書は私が持っていても価値がなく、いずれは処分することになります。
そこで、このブログで紹介したり、著者の大学の研究室に連絡を取ったりしたりして、お引き受けしてくださるがいらっしゃったらお譲りしています。

もし、このブログを見て、気になる本がありましたら、コメント欄を使ってご連絡ください。(コメントは直ちに公開はされませんのでご安心ください。)
年末には処分いたしますので、ご了承ください。

まずは、この3冊です。

●砂防工事及林道
【著者】荻原貞夫・福田次郎
【発行】1947/07/15(初版1937/05/20)
【出版社】明文堂 【定価】¥80
ネットで調べると著者の荻原貞夫さんは日本森林学会の第10~11代会長です。
この本の巻末には鉛筆で「22.9.24(東山堂)」と書き込みがありました。
おそらく父が購入した日と書店の名前ではないかと思います。
当時父は盛岡の学校に通っていたので、「盛岡、東山堂」で検索すると…、
ありました、ありました、明治38年創業の老舗ですね。
父は学生時代ここで本を購入していたんですね。

●農業土木ハンドブック
【著者】農業土木学会
【発行】1948/09/05(初版1931/12/20)
【出版社】丸善 【定価】¥800
農業土木学会は昭和4年に創立され、平成19年に農業農村工学会に名称が変更され現在に至っているようです(農業農村工学会HP)。
そのHPで学会の沿革を見ると、明治33年(1900)に、近代農業土木の始祖上野英三郎先生が東京帝国大学農科大学にて農業土木学を開講したところから始まります。
上野先生は、あの忠犬ハチ公の飼い主の方ですね。
農業土木ハンドブックは、昭和6年(1931)に初版発行で、昭和32年(1957) に改訂版が発行されて以来、だいたい10年毎に改訂されているようで、今は学会名に合わせてタイトルも変わり「農業農村工学ハンドブック改訂7版」として刊行されているようです。
父が使っていたのは改訂前のものですね。

●道路工学 設計編
【著者】岩澤忠恭
【発行】1948/10/01(初版1948/03/10)
【出版社】富士出版 【定価】¥80
著者の経歴をWikipediaで調べたら、すごいお方であるということがわかりました。
大学教授として教鞭をとり、また、役人として道路整備、河川改修・維持事業に携わり現場の指揮まで執られ、建設事務次官、地理調査所(現在の国土地理院)初代所長に就き、その後、参議院議員3期で予算委員長、建設委員長までなさった方です。
この本の第1章「緒言」の書き出しを紹介します。
我国の道路は道路法に依りて国道、府県道、市道並に町村道の4種に区別され、その費用は大体に於て其の名称の公共団体に依りて負担せられて居る。即ち府県道は府県費、市町村道は夫々市町村費支弁とする。
工学の本というよりも、行政官向けの教科書という感じです。
初版が1948年(昭和23年)ですが、その年に著者が建設事務次官に就かれたのですから、当然かもしれません。

9/04/2018

浦沢直樹 こんどは「BILLY BAT」

浦沢直樹先生の作品は本当に好きですね。
この作品も私の興味のあるところをご存知かのようにポイントをついてくれます。
これはまとめ買いではなくて、1冊ずつ次の発売日を待って購入しました。
第1巻が2009年、最終の第20巻が2016年なので足掛け8年です。
いい年して次のが出るのが待ち遠しくて仕方がなかったのを思い出します。

結構、発行のインターバルがバラバラで、もうそろそろ出てるかな、と思って書店に行って空振り、ということがありましたね。

この漫画で取り上げられている下山事件などは私が生まれる前の出来事ですが、ケネディ暗殺事件、アポロ月面到着などは私はリアルタイムで体験しています。
こういう事件はとっても興味があって、以前、下山事件を扱った本をこのブログで紹介ししましたが、そこではBILLY BATのことを書いていました。

BILLY BATは、時を越えて世界のどこかで起きた大事件が、実はすべて大昔から筋書きがあり、誰かがそうなるように操っている、というようなストーリーだと自分では思っているのですが、ノストラダムスの大予言などとちょっとつながっている気もします。








いつものようにまとめてボランティア団体にお譲りしました。