1937年ということは昭和12年。A5版横向きで十数ページのものです。
表紙には "BEDIENUNGS-ANWEISUNG" と書かれており、訳すと「取扱説明書」です。
そして、会社名は "K. JUNG, BERLIN", "MASCHINEN FABRIK" とあります。
JUNGはドイツの研削機械のメーカです。
そのHPをみると沿革が記されていて、1937年頃までの様子を調べると、
- ベルリンにKarl Jung社設立。 ビジネス目的:高精度研削盤の開発(1919年)
- 最初の油圧表面研削盤(1925)を発表
- 独自の高精度スピンドルの生産を開始(1931年)
さて、中身ですが、表紙を開くとこんな感じです。
操作方法が詳しく書かれ、それを説明するための写真や外形図などが後ろに続きます。
しかし、ドイツ語の技術的な中身よりも私の気を引いたのは「株式会社山本商会」のスタンプです。そして右下には「MAR 22 1937」の日付印。
株式會社山本商會
東京市京橋區銀座二丁目壱番地
電話 京橋 (56) 一六二二・一六二三番
山本商会は今でもあるのでしょうか?
ネットを検索すると「山本商会」という会社はいくつかヒットするもののちょっと違うようです。
いろいろ巡って辿り着いたのが、現在のYKT株式会社でした。
YKT株式会社のHPを見ると、
- 事業内容は「電子機器・工作機械・測定機器・溶接機械・産業機械の輸出入販売」
- 大正13年3月(1924年)山本敬蔵氏、個人商店として築地に事業創業、昭和9年2月(1934年)株式会社に改組
- 昭和16年9月(1941年)山本工業株式会社に商号変更
- 昭和24年2月(1949年)山本工業株式会社より工作機械類の輸入販売業務部門を分離し株式会社山本商会を再設立
(1949年に山本商会を再設立とは書いてあるんですが)
そこで山本敬蔵氏をネットで調べると、ありました。
広島県立福山誠之館高等学校の同窓会に山本敬蔵氏の名前があり、
「実業家、山本商会社長」
「大正13年(1924年)38歳 山本商会創立」
とあり、山本商会とつながりました。
とても歴史のある会社ですね。
いつもそうですが、ネットを使っていろいろと紐解いていくと、自分の生まれる前の出来事で今の自分とは何の関連のないことでも随分わかるものだなあ、と感心します。
ちなみに、なぜ昭和初期の時代の工作機械の取説がうちの物置にあるのかは、わかりません。さすがにネットで調べてもわからないでしょうね。
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