ちょっと古い地図が出てきました。
新修日本分県地図「福井県」 合併後の新市町村記入
発行は東京神田の塔文社で定価30円です。
発行日は特に記載されていないのですが、地図の裏側に「群市区町村別世帯および人口(30.10.1)」という表が掲載されているのでだいたいその頃のものでしょう。
表紙に「合併後の新市町村記入」と書かれているので、さっそくネットで調べてみると、Wikipediaで「福井県の廃市町村一覧」が出てきました。
昭和25年~34年頃にかけてものすごい数の市町村の統廃合が行われていますね。
昭和28年10月から31年9月の間に市町村数は150→49と約3分の1に減少しています。
この地図のタイトルには「合併後の新市町村記入」と謳われていますが、わずか3年ほどの短い期間で慣れ親しんできた地名が無くなってしまうのですから、新旧地名が書かれている地図はずいぶん重宝がられたことでしょう。
Wikipediaの一覧表と地図の新旧名称を比べると、昭和29年1月1日から昭和31年9月30日の統廃合がカバーされていることがわかりました。
ちなみに昭和29年1月1日の統廃合は、
・南条郡南条村(今は南条郡南越前町)の誕生
・遠敷郡上中町(今は三方上中郡若狭町)の誕生
昭和31年9月30日の統廃合は、
・吉田郡藤岡村(今は福井市)の誕生
・大野郡和泉村(今は大野市)の誕生
・武生市(今は越前市)への今立郡味真野村の統合
・今立郡今立町(今は越前市)への今立郡岡本村の統合
・坂井郡坂井村(今の坂井市)への坂井郡木部村の統合
でした。
ところで、地図を見ていて気づいたのですが、滋賀県の木ノ本から敦賀、武生、鯖江を通って福井に抜ける北陸本線がいやに曲がりくねっています。
駅の名前も今と違っていて・・・
木ノ本→中ノ郷→柳ヶ瀬→刀根→疋田→敦賀→新保→杉津→大桐→今庄→湯尾→鯖波→王子保→武生→鯖江→大土呂→福井
今は、
木ノ本→余呉→近江塩津→新疋田→敦賀→南今庄→今庄→湯尾→南条→王子保→武生→鯖江→北鯖江→大土呂→越前花堂→福井
そうです、まだトンネルが開通していなかったんですね。北陸トンネルの開通は昭和37年ですからこの地図が発行されてから数年後になります。
トンネル開通でルートが変わり廃駅となったのでしょう。
他にも岐阜県との県境にあり、現在は岐阜県に統合された大野郡石徹白村もまだ福井県にあります。
リンクを見ると、越境合併に至るまでにはかなり紆余曲折があったようですね。
ところで、なぜ昭和30年代初めの福井県地図があるのかと思ったら、地図と一緒に「東尋坊の奇巌」という6枚組の絵葉書が出てきました。
家族の誰かが越前旅行にでも行ったのでしょうね。
0 件のコメント:
コメントを投稿