12/01/2018

たけふのうた

おそらく昭和30年代の歌の本です。
カラオケが世に出る前は、こういう歌の本がありました。
表紙がこんな感じ。
旅館とかスナックとかで貰って、みんなで歌っていたんでしょう。
父がどこかでもらってきたのを昔よく見た気がします。

中をめくるとこんな感じで歌詞が書かれています。

武生菊音頭、武生ばやし、武生小唄の3曲ですね。
今でも盆踊りなんかで使われているのでしょうか。

さて、この歌の本を配ったのは、「福井県武生市相生町 国鉄推薦旅館」で「電話52番」とありますが、肝心の旅館の名前が崩し字で私には読めません。

地名も武生市は合併して越前市に変わっています。
また越前市には相生町という町名は既に無くなってしまっているという状況でした。

しかし、ネットの力はすごいもので、「武生 相生町」で検索していくと
武生市史 (武生市): 1965|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
というのがヒットして、そのページを下の方に辿っていくと、
正覚寺文書 〔武生市相生町〕 / p261 (0149.jp2).」
という記述がありました。
今度は「武生 正覚寺」で検索するとたくさんヒットして現在の「京町」であることがわかりました。
京町にはいくつか旅館、ホテルがあります。
となるとやはりあの崩し字を判読しなくてはここで行き止まりです。

しかし、世の中には素晴らしいソフトがあるものです。
 奈良文化財研究所, 東京大学史料編纂所 が共同開発した
木簡・くずし字解読システム―MOJIZO―
というシステムです。
ここに表紙の崩し字を写真に撮って貼り付けると候補となる文字がいくつか出てきます。
そうすると、「阿免屋」となりました。
しかし、先ほど検索した京町の旅館、ホテルにはそのような名前はありません。
名前が変わったのかもしれないと思い、「武生 阿免屋」で検索すると…
ありました、ありました。
おくめんや」と読むようです。

よくここまでわかったものです。
きっと父が泊まったのだと思いますが、夕飯で一杯やりながら歌っていたのでしょう。

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