連休中、不要な本の片づけをやっていたところ、自治体から配布された防災の小冊子が出てきました。
「みんなの地震対策 身につけておこうこれだけは」 浦和市(昭和50年9月1日)
今から約40年前の防災の日に旧浦和市(現さいたま市)が発行したものです。
小冊子には「昭和49年5月9日の「伊豆半島沖地震」(直下型)は重要ないくつかの教訓を残しています」と書かれていて、それを踏まえたものとなっているようです。
その教訓のひとつに、
冷静な行動が火災を防いだというのがあり、
なにがなんでも火もとをとめてしまうことに全力をあげる。とくに炊事で火をしようしているときには、主婦は必死で台所の火を消すように。
とあります。
確かに、地震で火災が発生したら、救出作業もできません。
しかし、昨日紹介した島村英紀著「日本人が知りたい巨大地震の疑問50」では、こう書かれています。
地震の時には「火を消し、ガスの元栓を閉め、電気のブレーカーを切る」ことがよく言われていますし、自治体の防災の心得にも書いてあります。しかし、私はこれには反対です。現在は、自動消火装置がついたガスコンロや、IHなど火を使わない調理器が普及しているので、火災のリスクは以前に比べ減少していることでしょう。 40年前の防災小冊子のように「主婦は必死で台所の火を消すように」というよりも、まずは落ち着いて自分の安全を確保したうえで対応するというのが今の基本なんでしょうね。
1987年に千葉県東方沖地震が起きたとき、多くの家庭では昼食の準備中でした。このときにあわてて火を消そうとして、揺れで飛び散った高熱の油を浴びて、多くの主婦が大やけどをした例があります。
どの家でも、台所は部屋の広さのわりには家具が多く、人間が下敷きになりやすい危険な部屋です。また、天袋や家具から食器類が落ちてくることもあって、瀬戸物やガラスの破片がいちばん散乱する場所でもあります。台所に長くいることも、火を消すために外から台所に向かうのも、とても危険なことなのです。
家が壊れないかぎり、地震の揺れがおさまったあとで火を消しても、十分に間に合うはずです。また、近ごろは、ほとんどのガスメーターには地震の時に自動的にガスを遮断する装置がついています。またほとんどの石油ストーブにも、地震で火が消える機能がついています。
消火器の備えや使い方を身につけておくことも重要だと思います。
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