1冊目は,「新版 切手と印刷」((財)印刷局朝陽会,1977年,大蔵省印刷局監修)
カバー付の豪華な本です。印刷局の職員の皆様が分担して執筆されたもので,切手の図案を決めるところから,用紙の製造,のり引き,印刷,目打ち,帯掛け,検査など,ほとんどの工程がとても詳しく解説されています。
そして,この本の特筆すべきは,なんと口絵のところに大蔵省印刷局の切手試作品が14枚も付いているのです。本書の中で解説している様々な方法で印刷したものを実際のサンプルとして見ることができるようになっています。
もう1冊は,「世界の切手印刷」((財)印刷局朝陽会,1979年,植村峻)
これもカバー付の豪華本です。世界各国の切手印刷技術をよく調査したなあ,と感心します。1970年代後半のこの頃から,すでに日本の印刷技術は世界最高レベルに到達していたことがよくわかります。
1冊目の「新版 切手と印刷」と同様,大蔵省印刷局の試作品が4枚付いていますが,前者がすでにページに貼り付けられているのに対し,こちらは試作品が別に添えられていて,自分で貼り付けるようなスタイルになっています。
郵便事業も民営化され,また,切手の印刷技術もさらに進歩していることでしょう。